「鋼鉄のストーカー」の巻(Ryo’s Colum)

 年度の始まりの4月が終わりました。毎度毎度の愚痴とボヤキの多い当方のコラムですが,前回連載の3月から4月にかけて,路上に多くの仮免許練習車両を見かけました。進学や就職を控えられた方が,一斉に自動車免許取得のため頑張られていたのでしょう。
 さて,事務所を出て,それこそ4台連なった仮免車両の横を歩いて,免許更新申立てのため(年がら年中国選弁護関係の接見で当方の厚顔をさらしている)警察署へ向かいました。4月は,当方の誕生月であり,久々の免許期限を迎えたわけです。申立てを終えて,講習の動画を見たのですが,改めて交通事故被害の悲惨さを学びました。その講習にあった,①見通しの悪い道では減速,一時停止,②飲酒運転の絶対禁止を今一度戒める良い機会になりました。

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 約10年前,神奈川県から長崎県長崎市へ移住してきた時ですが,自動車の運転をしていた時,周囲の人が当方のつたない運転に対して,道を譲ってくれる等温かい配慮をしていただいたことが多くあり,「何とも親切な人が多いところだなぁ。」とありがたかっていました。その後,長崎市から佐世保へ移住しましたが,仕事がら,長崎県の内外を自動車で移動する機会が多くあります。約10年前から遡って現在に至りますが,その間,余裕が無い運転を見かけることが多くなったように思います。佐世保から長崎間の高速道路では,長いトンネルの中をかなり前方車両に車間距離を詰めて走る煽り車両を毎回見ますし,一般道路では,赤信号無視を目の当たりにすることが度々あります。免許取立ての経験不足や加齢による衰え,そして,国民全体の多忙と疲労蓄積等,様々な理由があるのでしょう。
 
 このところ,自動車運転で気になるのは,住宅街での走行です。仕事場への行き帰りですが,自動車を走らせる道路にほぼ歩行者や自転車だけが使用する幅員2メートル程度の道が交わる交差点が数か所あります。この交差点の狭い方の道路が,時間によっては児童の登下校路となるため,何とも気になるわけです。後続車への申し訳なさもありますが,とりあえず気になる場所で一時停止します。しかし……。

 意図してやっているのかどうかは分かりませんが,住宅街の走行時,私の運転車を露払い的に利用してくる追走車が来ることがあります。それこそ,ピタリという感じで,付いてくるわけです。当方が上述のとおり時々一時停止すると,ごくまれにですが,ストーカーがクラクションを鳴らしてきたり,エンジンをふかして交差点上を追い抜いたりすることがありました。実に嫌な感じとなりますが,そこは事前の呪文詠唱で対応です。やはり運転中の余裕不足というのは大きいのでしょうか。
 そのような一時停止習慣ですが,先日,交差点で停止した直後に,左手の狭い方の道路から,それこそ漫画や自動車教習所のシミュレーターのように,バスケットボールが,ポーン,ポーンと弾んできて,間もなくボールを追っかけてきた子どもが横断歩道を走って飛び出してきたことがありました。その子どもは,路上でボールを捕まえた後,当方に気づいて丁寧に挨拶をしてくれましたが,子ども側からすると,おそらく路上で飛び出し等を見つけて余裕をもって普通に自動車を止めたと思っただけかもしれません。当方は,子どもに会釈しながら,「一時停止していなかったら……。」と内心ゾッとしていたのですが……。

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免許取得試験に合格し,無事に免許を取得された方へのお願いですが,とにかく車間距離には注意して,いわゆる煽り運転にならないようにすること,また,煽られたとしても焦らずに路肩へ自車を停める等して後続の危険車を先行させる等危険回避するようにされて下さい。

 安全な車間距離を取らない運転は,それ自体,道路交通法にて,罰金刑が課されており,高速道路の場合は,3か月以下の懲役刑も選択されることがあります。また,仮に,自動車の接近やクラクション等を利用して,他車両を威嚇する煽り運転により,相手車両乗員を死傷させれば,重い危険運転致死傷罪が適用されます。
 また,後ろから煽り運転車両が近づいてきたため,これから逃れるためにスピードを上げた結果,交通事故を起こしてしまったという場合,事故の責任から逃れることはほとんど考えられません。被害者を跳ねてしまえば,後ろの煽り運転車両は,即座に現場から立ち去るという腹立たしい光景を見ることになるでしょう。まれに,煽り車両の存在をドライブレコーダー等で証明できたとしても,「路側帯へ入っての回避するべき」等指摘している高裁判例(刑事事件)が出ており,やはり,煽り車両の存在は言い訳として成り立ちにくいようです。
 そのような訳で,ストーカーが現れた場合,「おいおい,これで人を轢いたら,そっちが責任とってくれるわけじゃないだろう?」と毎回呪文を唱えて,落ち着くようにしています。

 ここまで,今回のコラムを書きあげて,つきまとわれるストーカーと車のカーをかけた部分で,上手いこと言ったのではないかと思ったのですが,手元の和英辞典によると本来のストーカーの綴りは「stalker」であり,車は当然「car」なので,厳密にはあまり駄洒落になっていませんし,落ち着いて吟味してみると全然面白くない……。次回コラムですが,自動車ついでに交通事故の仕事についての予定です。では,また。